こんにちは、海外起業家名鑑|Unicorns Mediaを運営してます、あきです。
海外企業の創業秘話ついて毎週取り上げるこのニュースレター。
今回はインターネット史上最も影響力のあるプラットフォームのひとつ「YouTube」を創業した「Steve Chen(スティーブ・チェン)」、「Chad Hurley(チャド・ハーレー)」、「Jawed Karim(ジャウェド・カリム)」について掘り下げていきます!
「動画コンテンツの共有は、なぜこんなに難しいのだろう?」
スーパーボウルのハーフタイムショーと大津波の映像。
それを見られないフラストレーションが、月間再生回数1000億回の巨大プラットフォームを生み出した。
マッチングサイトとして始まり、わずか1年でGoogleに16.5億ドルで買収されるまで――。知られざるYouTubeの創業には何があったのか?
YouTubeの物語は、決済サービスPayPalで働いていた所から始まる。その創業メンバーは「PayPalマフィア」と呼ばれる伝説的なグループ。多くの優秀な技術者を引き寄せ、後に彼らが様々な成功したテック企業を立ち上げることに。
FaceBookに初期投資をしたPeter Thiel
Sequia CapitalのパートナーRoelof Bothaなどが在籍
SteveとJawedはイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校でコンピュータサイエンスを学び、後にPayPalでエンジニアとしてキャリアをスタートさせる。一方、Chadはペンシルバニア州インディアナ大学でデザインを専攻し、PayPalではUIデザイナーとして活躍してた。
2002年eBayによるPayPalの買収後、彼らは経済的に安定し自分たちの事業を追求するための経験と知識の両方を手に入れる。
YouTubeの起源については、様々な意見が存在する。
最も広く知られているのは、2005年ChadとSteveがサンフランシスコのアパートでディナーパーティーを開いた後、そこで撮った動画をネットで共有することが難しかったという経験から着想を得たというストーリー。
しかし、Jawedはこの話を否定している。実際にはパーティーは開かれなかったとも主張。Steve自身も、この創業秘話は「おそらく、理解しやすいように話を捻じ曲げマーケティングアイデアによって強化された」と認めている。
Jawedによれば、そのアイデアが出来たのは2004年のスーパーボウルでのハーフタイムショーとインド洋で起きた大地震の動画を探すことから来ていると語る。これらの動画を簡単に見つけれないことにフラストレーションを感じ、動画コンテンツを共有するためのプラットフォームの重大性を感じた。
なんとYouTubeは当初、私たちが知っている動画共有サイトとして構想されたわけではなかった。
最初のコンセプトは、「Hot or Not」という出会い系サイトに影響を受けた、マッチングサービスの動画版。創業者たちは動画をアップロードしてくれる女性を探すためにクラシファイドコミュニティサイトCragslistに投稿し、100ドルの報酬を提供していたほど本気だった。
しかし、彼らはサイトを運営するために必要な動画を集めることの難しさに直面。これが彼らのビジネスモデルにおける重要な転換点となる。
そこで、あらゆるタイプの動画コンテンツのアップロードを受け入れることを決意。この「ピボット(方向転換)」が、YouTubeを世界を変えるプラットフォームへと導く鍵となった。
多くのスタートアップと同様に、YouTubeも初期にはユーザー獲得の問題に直面した。コンテンツがなければユーザーは来ないし、ユーザーがいなければコンテンツも増えない。
この問題を乗り越えるため、創業者たちは自分たちで複数のアカウントを作成し、動画をアップロード、コメント、評価することで、プラットフォームが活発であるように見せかけた。この戦略は初期のユーザー獲得において重要な役割を果たす。
ついに、2005年2月14日(バレンタインデー)に正式に設立されたYouTubeは、コーヒーショップ、創業者のアパート、ガレージなど、様々な場所で開発された。
YouTubeは公式ローンチ後、爆発的な成長をみせる。直感的に操作が出来るUIがしっかりとしたデザインと、誰でも簡単に動画をアップロードして共有できる能力がユーザーに共感を呼び、急速な普及につながった。
各創業者は独自の強みを活かす:
設立からわずか1年の2006年11月、Googleは16.5億ドル(当時約1,800億円)でYouTubeを買収を提案。この取引は、わずか1年の歴史しかない会社にとって驚くべき成果だった。
この買収はユーザー生成の動画コンテンツの将来的な重要性を認識したGoogleの先見性を示しているとともに、YouTubeに成長軌道を継続するために必要なリソースとインフラを提供。
GoogleによるYouTubeの買収後、3人の創業者はそれぞれ異なる道を歩む事になる。
ChadとSteveは買収後もしばらくYouTubeにとどまり、Google傘下でプラットフォームの継続的な発展を導いた。一方、JawedはYouTube内で限定的な役割を担い、外部アドバイザーとして従事してた。その後、PayPalで働くために休学していたイリノイ大学での学位を取得。
Sequoia Capital(YouTubeに投資したベンチャーキャピタル企業)のパートナーであるRoelof Bothaは後に、「 彼は非常に創造的だった。我々は契約を保留するよう彼を説得するためにできる限りのことをした」と述べる。
YouTubeの快進撃は止まらない。
2024年までに、プラットフォームの収益は主に広告収入により500億ドルを超え、1億1,400万以上のチャンネルがあらゆるトピックでコンテンツを制作し続けている。YouTubeはGoogleサーチに次いで、世界で2番目に訪問者数の多いウェブサイトとなり、毎日何十億回も動画が視聴されてる。
そして、YouTuberという新しい職業も誕生し、多くのクリエイターがここから生計を立て、子どもたちにも夢を与えるプラットフォームへと成長した。
今回は以上です。
YouTubeの創業秘話いかがでしたか?
「適切なタイミングでの方向転換」が成功に繋がっていると思います。初回のNotion創業秘話でもそうですが、事業の方向転換から成功している例は多々あります。これまで積み上げきたものが無駄になるのではなく、その経験を活かしてプロダクトを改良したり、ユーザー獲得が上手くいったり出来ているのではないのかなと。思いついてから行動に移し、ローンチからわずか1年での買収は記録的な速さですが、ビジネスアイデアを行動に移すことの重要性も今回の創業秘話で改めて理解できたかと思います。
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